囚われの身

キジトラ

鉄条網の向こう側、椿の木の下にいる猫
夕方この前の道を通るたびに
小柄な体でこちらを一生懸命見つめ、声をかけてくる

「一人ぼっちは淋しいよね」
いや、これは人間の感覚か・・・?

木々が覆い、少し薄暗いこの場所に突然現れた猫
何処から来たんだろう?
誰に連れてこられたんだろう?